夕蘭と友里、そして杉村とひなたと共にエレベーターで七階に上がった。


ライブハウスのような造りの、かなり広いスペースの部屋。


「しっかしビビったぜ。北軍と南軍の強いやつらが勢揃いって感じでよ。いよいよこの街がまずい方向に向かってるって感じがするよな」


「嫌な空気はここ最近ずっと街に漂ってる気がするよね。あーあ、私も葵くんと一緒にいってたら、もっと強くなってたかもしれないな」


ずっと西軍で防衛をしている杉村とひなたでさえ、そういう雰囲気を感じ取っている。


徐々に……この街は壊れようとしているんだろうな。


「それにしてもタケさんはなんだってこんなところにピヨを呼んだんだ? 話なら三階でも出来るだろうし、これじゃあまるで……」


「杉村さん、まだあのクソ親父のことがわからないわけ? ここに呼んだってことは、話し合いをするつもりなんてないでしょ」


と、杉村に対して夕蘭がそう呟いた時、背後の扉が激しい音を立てて、俺に向かって飛んで来たのだ。


咄嗟にトンファーを取り出し、軽く飛び上がって扉を回避する。


「さぁてさぁて、楽しい楽しいバトルの始まりだ。ヨチヨチ歩きだったガキは、そろそろ毛が生えた頃か? 俺が確かめてやるよ」


ボトルに入った酒をラッパ飲みしながら、タケさんが中に入って来た。