「……話をまとめましょう。東軍には悪魔となった黒井がいて、どこにいるかわからないあやせくんの父親は、ナイトやルークを召喚する。そして各軍には黒井に協力する裏切り者がいる……と」


「そうですね。それに補足して、現在ルークは南軍で休眠状態です。伊良派にも協力を要請して、神凪宗司と共に監視を続けてもらっています」


千桜さんと月影の話から、南軍も何とかなっているのがわかる。


そうでなければここに集まっているわけがないのだけれど。


それにしても宗司は、南軍に残って戦い続けているのか。


あいつ、どんどん強くなってるんじゃないのか?


「んじゃあ、少しは時間が稼げるってことだな。こっちも『鉄の女』がいるから、当分は大丈夫だろうし……お前らは解散。葵と愉快な仲間たちは七階に移動!」


パンッと手を叩き、タケさんがそう言うと、張り詰めていた緊張が一気に解けたかのように、柔らかい空気にわかったのがわかった。


「クソ親父、私も葵と一緒に七階に行けばいいわけ?」


「あ? 好きにしろよ。お前のことは葵に任せてんだよ。いちいち俺に確認を取るな」


「ふーん。じゃ、勝手にするから」


そう言って夕蘭はソファから立ち上がると、俺の方へと歩いて来た。