そう考えると何だかずるいような気がするけど、それでもランキングのトップ10の中には無印の人もいたわけで、多分、強くなるコツを知ってるというのが強みなんだろう。


「この街が、『ヴァルハラ』と同じだって言うなら、やっぱりバベルの塔に行けば……」


そう尋ねながらタケさんの方を向いた俺は……信じられない光景を目にすることになった。


タケさんの左腕が……ない?


本人もその違和感に気付いていない様子で、不思議そうに見ている俺を、不思議そうに見るという始末。


どうしてこんなことがと、振り返って見るとそこには……。








いつの間にか、タケさんの腕を二本持った、いつかの白いひとつ目の鬼……ポーンが立っていたのだ。


何をされたのか全くわからない。


タケさんも両腕を切り取られてようやく気付いたようで、慌てて切断された腕でPBSを開こうとするが、それに反応したポーンがタケさんに急接近して肩の根元に人差し指を滑り込ませて切断した。


「お前ら! 逃げろ!」


動きが速すぎる!


二本あるうちの、一本の角が折れているということは、宗司と浜瀬さんを殺した鬼か!?


あの時も強かったのに、この強さはなんだ!