「……あんた本気? 確かに他の鬼とは違う感じがするけど、でも鬼だよ?」
「わ、わかってるけどさ。もしかすると戦闘の役に立つかもしれないだろ? アジトの見張りにも使えるかもだし」
チラリと後ろを見ると、俺についてこいと言われたのが嬉しかったのか、穏やかな表情で後をついてくる友里の姿があった。
角はあるものの……こうして見るとそれ以外は普通の女性なんだよな。
「他のやつらの理解を得るのは難しいだろうな。なんせ鬼なんだからよ。おい……えっと、友里ちゃん。鬼もセックスとかすんの? 鬼になってからしたことある?」
「こんなのが私の父親とか、神様を恨むわ。クソ親父! 頭の中それだけしかないの!?」
なんかタケさん、夕蘭の前でわざとそういう話をしてる気がするんだよな。
普通の話をしても無視されるから……とか考えてそうだ。
「……私、鬼、セックスしない。ピヨならいい。する」
「い、いや、やめなさい!」
男友達とこういう話をするなら別に抵抗はないけど、さすがに夕蘭がいる前でそんなことを言われると困る。
でも俺は……友里をどうしたいんだろう。
このまま連れ帰っても、友里が人間に戻るわけじゃないのに。