俺はもちろんとして、タケさんもそう思うのか。


だったら、俺はどれだけ頑張らないといけないんだよ。


「遠い……けど、何かがあるってわかっただけでも良かったですかね。この塔の頂上に何があるのかはわからないですけど」


口に出すとバカにされるかもしれないけど、夢の中で言っていた、願いが叶うという話もあながちありえない話ではないと思えたから。


東京の一部が、こんなわけのわからないことになって、魂の武器……ソウルウェポンを持って人間同士で殺し合いをさせられている。


鬼なんてものまで現れて、日常が一気に非日常に変わったんだから、その中に一つくらい希望があると考えても不思議ではないはずだ。


ただ殺し合いをさせられているだけなんて、あまりにも救いがなさすぎるじゃないか。


「じゃあ、そろそろ帰るかよ。これから何をするべきか、見えただろ?」


「そう……ですね。目標が大きすぎて、何から始めればいいかわかりませんけど」


「立ち止まれば0だけどよ、とりあえず動いてみればプラスにはなんだろ。どんな経験でも、完全に無駄なんてことはねぇんだよ」


動いてみればプラスになる……か。


なるほど、そうかもしれないな。


「で、あれはどうするつもりだ? ペットにでもするつもりか?」


そう言ってタケさんが指さした先には……友里がいた。