泣き疲れていつの間にか眠っていた私は、雀の鳴き声によって目が覚めた。



シンと静まり返った家の中に、人の気配はない。


目の前のお惣菜は、そのままで。





あぁ、ダメだったんだって、また胸が締め付けられた。




もう一度、秋は帰ってくるのかな。


きっと、次会う時には帰ってくるって言葉は相応しくなくなっているんだろう。



ここが秋の帰る場所じゃなくなってしまったことが、どうしようもなく悲しくて。


全部、夢だったらいいのにって、そう思うと余計に涙が溢れた。





あんなこと、言わなきゃよかった。


秋を傷つけるあんな言葉、言わなきゃよかった。



ううん、それより、秋を怒らなければ。


仕方ないねって、お惣菜を二人で食べていれば。




もっと、許せていたら。


もっと、優しく出来ていたら。




普段から、もっと、もっと、秋の優しさに甘えずにいたら。




「別れる?」なんて秋はきっと言わなかった。



こんな未来じゃ、なかったはずなのに。










「俺、彼女出来たから」




携帯を開いたら、そんなラインが入っていた。



送り主は、秋。



何それ、早すぎて、笑える。




「…………っ、うぅ、っ……ーーーーーー」