いま何時だろう。


とりあえずバイト先に迷惑かけてごめんなさいって言わなきゃ。

あぁでも、課題もやらないと。
冬休み前のテスト勉強もしなくちゃ。



「小テストでね、赤点取っちゃって。私って両方器用に同時進行出来ないみたいで」



駄目だねぇ、と笑う。


「今はとりあえず休んで」と言われたけど、そんな暇はない。

それにお兄ちゃんだって受験があるはずなのに勉強の邪魔をした。

結局私はこうして迷惑をかけてしまってる。



「柚、お母さんの体調は回復したわ。…もう大丈夫よ」


「でもまた倒れたらどうするの…」



倒れた私が言える台詞じゃないけど。

もうお父さんのところに帰っていいと、この人は言っている。


そんな会話は彼が居ないときにしたかった。



「だとしても娘のあなたに背負わせることじゃない。…柚が倒れるまで無理させる方が、お母さんにとって一番辛いことだわ」


「…無理なんかしてない。大丈夫だよ」