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喉が、乾いた……。
ゆっくり瞼を広げると、太陽を初めて見た動物はこんな感覚なのかと思うくらい明るい光に包まれる。
「───…あ、起きたみたいです」
ここはアパート…?
どうやらお母さんの使うベッドの上に寝かされているらしい。
傍に置いてあるストローの通されたペットボトルを見つけて、手を伸ばすよりも先にサッと取られて抱き起こされる。
「…具合はどう?」
ちゅー、ごっくん。
それを用意してくれたのだろうその男へと「大丈夫」の意味を込めてコクンと頷いた。
すぐにキッチンから軽い足音が聞こえて、目の前に2人が揃った。
「バイト先から連絡があってね。倒れたのよ、覚えてる…?」
「…うん。でもどうして、」
お兄ちゃんがいるの…?
そう目線で見つめた。
「帰りにばったり会ったの。そのときにバイト先から連絡が来て、湊くんが柚を運んでくれたのよ」
そうだったんだ…。
いつもこの人は助けてくれちゃう。