「チビ、もんじゃ追加する?」
「いつものよろしくアッキー!」
「おっけー。真崎ちゃん、明太もちもんじゃも追加でよろしく」
「働け秋斗!」と彼のお父さんである店長の怒号が厨房から聞こえるけれの、そんなものは鉄板から上がった湯気に消えてしまった。
男2人、女2人。
合コンのようにも見えたけど、そうでもないっぽい。
「アッキー!夏実から聞いたけど2人で動物園行ったんだってね~」
「青葉っ!内緒にしてって言ったでしょ!」
「わっ、ごめん夏実っ!つい嬉しくて!」
ふむふむ、廣瀬さんもデートとかする人なんだ。
それにしても“アッキー”って可愛いあだ名だ。
確か廣瀬 秋斗(ひろせ あきと)って名前だったっけ…。
「あぁ、それね。本当はお前誘おうと思ってたんだけど予定合わなかったからさ」
「おい、それは俺も入ってるんだよな?」
「もちろん入ってないよ。久しぶりにチビと出掛けたかったし、それに理久の取り柄って万年ぼっちって所じゃん」
「…殴るぞ」