いつもと変わらぬある冬の寒い朝、李胡は普段と同じ時間に目覚めベットからでて氷のように冷え切った床の上を素足で歩く。
「今日はいつもより冷えてるなぁ…。」
そんな独り言を漏らす彼女は中学生になってから5年以上一人で住むには広すぎるマンションの一室に一人で暮らしていた。
親がいないわけじゃない。
ただ帰ってこないだけ。
もぅ両親は別居状態だった。
中学生になるまでは週末に二人揃ってマンションにいた。会話はなく、娘とも目を合わせることも話すこともなかったけれど…。
中学生になってから両親は帰ってこなくなった。それからあたしの口座には毎月余るくらいの生活費が振り込まれるようになった。
あたしにはそんなもの要らなかった。
ただ家族と呼ばれるものが欲しかった。
自分の居場所が欲しかった。
温かい幸せが欲しかった―…。
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