「寒い…。」



コートを着てマフラーを巻いて、手袋をして歩いているというのに寒さが李胡を襲う。



ふと、気配を感じて振り向けばあたしの50Mほど後ろの街頭の下に誰かが立っていた。


その人はニヤリとあたしを見て笑った。背筋に悪寒が走る。
怖い…ッ!!



ケータイを取り出してその人を見ながら誰かに連絡をとろうとひたすらかけてみるが手がかじかんで上手く操作できない。



やっと発信ボタンを押せたところで顔をあげれば、あの人がこっちに向かって歩いて来ていた。