「どれがいいと思う?」



優柔不断なわたしはなかなか決められず、退屈そうにしていた神風くんに判断を委ねる。



「そういうのって女の子が選んだ方がいいんじゃないの?」



わたしが買い物に時間をかけすぎたせいか、神風くんはすっかり不機嫌モード。


確かに男の子と女の子の価値観は違うし、そうなのかもしれないけど、わたしじゃ選べないんだもん。


チェック柄も可愛いし、小花柄も可愛いし、なんなら無地でも教室内の装飾が映えていいような気もしてくる。


あぁ、どうしよう、選べない。



「これにしたら?」



見かねた神風くんが手にしたのは、薄い黄色のチェック柄のテーブルクロス。



「これなら他の装飾を邪魔しないだろうし、可愛いんじゃない?」



やっぱりモテモテな神風くん。


女の子の気持ちもわかってる。



「うん、じゃあそうする……その、ありがと」


「どーいたしまして」



わたしがお礼を伝えると、ふっと笑ってレジへ向かっていった神風くん。


支払うためのお金を持っているのはわたし。


慌てて神風くんの後ろを追いかけてレジへと向かった。