悶々としながら迎えた放課後。
今日も帰りにどこか寄ってから帰ろうか。
その方が負担は少ないかもしれない。
「澪ー」
いつも思うのだけど、神風くんはなんで毎回わたしがなにかしようとする時に引き止めるように声をかけてくるんだろう。
「ちょっと急いでるから」
「え、待ってよ!」
神風くんとあまり関わりたくないわたしは逃げるように席を立つ。
何故かわたしについて来ようとする神風くん。
そんな神風くんに「どこ行くのー?」「まだお話したいよー!」と群がっていた女の子たちが声をかける。
「ごめん、俺行くねー」
そんな断りの言葉が聞こえたのは、わたしが教室を出た頃。
まさか、本当について来ようとしているの?
あんな女の子をコロッと落とすような笑顔なんてして、みんなに優しくするから寄ってくるんだよ。
嫌ならわたしにしたみたいに性格の悪い神風くんでいたらいいのに。
神風くんに追いつかれてしまわないよう早歩きで生徒玄関へ向かう。
うん、まだ神風くんは来ていない。
わたしの勝ち。