「胸がね、痛くて、ドキドキして……苦しい」
俯くわたしに、玲奈ちゃんは逆にパァっと笑顔を輝かせる。
「澪、やっと自分の気持ちに気がついたんだね?」
「うん、そうみたい」
玲奈ちゃんはすごく嬉しそうにしている。
「わたしね、神風くんのことが好きみたいなの」
「うんうん、わたしは嬉しいよ!」
バシバシと背中を叩かれて、そこだけじんわりと痛くて熱を持つ。
わたしの告白に、玲奈ちゃんがそんなにテンションが上がってるなんて。
女の子たちのする恋バナってこんな感じなんだと初めて知った。
「それでそれで?」
テンションMAXの玲奈ちゃんは、わたしを急かすように話を掘り下げてくる。
「えっと……神風くんはわたしのことなんかクラスメイトとしか思ってなくて、それがなんか苦しくて、避けちゃってる」
わたしがそう言うと、玲奈ちゃんは「あぁー」と何か納得した反応をしていた。
「神風くんってモテる割に恋愛とか不器用そうだもんね」
神風くんが恋愛に不器用?
そんなこと無さそうだけど。
これまでも彼女とか何人もできていそう。
ほら、今だって、わたしが知らないだけで彼女がいるかもしれない。