「澪、最近明るくなったよね」
「へ?」
そうかと思えば、玲奈ちゃんはまた不思議なことを言い始める。
「わたしが?」
「うん。 神風くんとよく絡むようになってからかな? すごく笑顔が増えた気がするし、可愛くなった」
玲奈ちゃんはおにぎりを大きな口で頬張って言う。
神風くんと……
確かに、今までわたしはずっとクラスの空気のような存在で、必要なこと以外クラスメイトとも話すこともなかった。
それが今は、挨拶くらいは返すようにもなったし、神風くんと話している時の自分はすごく自然体でいられている気がする。
「……でも、神風くんとどう接したらいいのかわからない」
「ん?それはなんで?」
わたしがそう呟くと、玲奈ちゃんはお弁当を膝の上に置いて真剣な顔をした。