「ここに……居ます」
大きな窓からひょこっと顔を出した。
そして中に入る。やっと中に入れた……。
ホッと胸を撫で下ろす。
「またそんなところに隠れていたのか?
しかし別に隠れる必要はなかったのではないのか?
驚いたのは、分かるが……」
うっ……!!
課長までそう言ってきた。そうなんですけど……。
課長だけには、知られたくない。
裕太君と知り合いだと言うことを……。
「だって……変に疑われると困りますから」
「俺は、別に疑われても構わないけどな」
「えっ?課長……今なんて?」
「何でもない。それより早く食べてしまえ。
本当に遅刻をするぞ?」
えっ……時間?
時計を見るとすでに時間か過ぎていた。
あ、大変だ。早くしないと遅刻をしてしまうじゃない!!
私は、慌ててテーブルに戻ると残りの朝食を食べた。
その後は、駅まで課長が車で送ってくれた。
「あの……ありがとうございます。
たびたび迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
車から降りると深々と頭を下げる。
「いや、構わん。それよりも次のコースは、マッサージにするぞ。申し込んでおけよ」
「えっ?」
課長は、それだけ言うと車を走らせて行ってしまった。
あんな事が遭った後でも変わらずに一緒に婚活コースに行ってくれるんだ?
そう思うと心臓がドキドキと高鳴ってくる。
あれ?迷惑なはずなのに、何だか嬉しくなってくる。
どうしてだろうか?
もう誘ってくれたないと思ってたからだろうか?
何だか不思議な気分だった……。