「おいおい。さっきから聞いていたら何が変な妄想入っちゃってんだよ!?
俺、いつあんたに付き合ってくれって言った?
しかも詐欺とか何股とか意味分からないこと言うし」
呆れたように笑ってきた。
「えっ……だって……」
「確かに食事に行こうと誘ったけど、そんなの今の世の中では普通だろ?
なのに変な期待をしたあげく、その気がないと分かると次は、被害妄想かよ?
しかも気持ちが悪いカミングアウトまでするし……。
あ、もしかして最近俺の周りにうろついているストーカーってお前なのか!?」
わざと驚くように言う安西さんだった。
えっ?一体何を言っているの……?
私、ストーカーなんてしていない。
周りのお客さん達が、それを聞いてざわつき始めた。
「えっ?あの人……ストーカーなの?」
「自分に気がないからって分かると被害妄想にストーカーって気持ち悪い……」
ヒソヒソと陰口を言い出していた。
ただし私への批判で………。違う!!
私は……そんなことしていないのに。
いつの間にか私がストーカーにしてる事にすり替えられてしまった。
そうしたら安西さんは、グイッと私の腕を掴んできた。
「今から警察に突き出してやる!!
お前みたいなストーカー女に危うく俺が騙される所だった」
け、警察……!?何で?
私は、ただ断るはずだったのに、どうしてこんなことになってしまったの?
動揺する私に安西さんがコソッと呟いてきた。
「俺を侮辱した罰だ。
本当に通報されたくなかったら俺の言うことを聞け」
なっ……!?
「いや、離して!!」
このままだと……この人の思い通りにされちゃう。
そんなの嫌っ!!