そして、ゆっくり歩いてもらい駐車場まで向かう。
課長は、車の免許持っていたのね?
いや、持っていてもおかしくないわよね。
何せ資格を取るのが趣味なんだし……。
課長の車は、カッコいい感じの外車だった。
これがイケメンだったら、どんなにいいか……。
車に乗り込むとエンジンをかけてエアコンをつけてくれた。
すると課長は、後ろをゴソゴソといじりだした。
どうしたのだろうか?
「寒いだろ?温かくなるまでこれを掛けておけ」
そう言うと後ろからブランケットを出して私に掛けてくれた。えっ?あ、そうか。
震えているから寒いと思ったのね。
何とも……優しいことだ。
ふわふわのブランケットは、ぬくぬくしてとても温かった。
妙に優しくされると調子が狂ってしまう。
普段は、怒って冷たい感じが多かったから変な感じだ。
エンジンーかけて車を走らせた。
サングラスをつけて走ってる姿は、何処かの怖そうなヤクザの親分みたいだ。まぁ、似合っているけど……。
意外と安全運転で気づいたらウトウトと眠ってしまった。
ふわふわのブランケットのせいと疲れていたからだろう。
「おい宮下、起きろ。着いたぞ!」
「うーん。か……ちょう……?」
ぼんやりする意識の中、目を覚ました。
すると目の前に課長の顔が合った。ゲッ!!
思わず驚いて後ろに下がろうとした。
そうしたらガンッとドアに頭をぶつける。い、痛い……。
「……いたっ……!!」
「人の顔を見て叫ぶとは、失礼な奴だな。お前……。
着いたからさっさと降りろ」
「……す、すみません」
だって、目の前に怖い顔があるんだもの。仕方がないわよ!
私は、渋々降りるとその場所に驚かされる。
あれ?ここは……ホテル!?
目の前にあるのは、高級そうなホテルだった。
いやいや、また何で!?
混乱していると課長は、ギロッと睨みつけてきた。
「早くしろ。俺は、待たされるのが嫌いなんだ!」
「は、はい」