うん?お弁当は、課長の手作りなのだろうか?
チラッと気になってお弁当を見る。えっ!?
そのお弁当は、彩りから栄養バランスなど全てきちんとした完璧なお弁当だった。課長らしい……。
いや、素晴らしいと思うのよ。でも男で、ここまで完璧過ぎると……なんか引くわ。
「課長。そのお弁当って課長の手作りですか?」
「あぁ、当然だ」
「随分とバランスのいいお弁当ですね?
栄養バランスまで完璧だし」
私は、恐る恐る尋ねてみると課長は、そう答えた。
普段から自炊をしているのかは見ていたら分かる。
しかし課長のは、こだわりが強そうだ。
「そりゃあ、当然だ。俺は、栄養面から彩り、バランスまで気を付けている。
そのため栄養士の資格を取ったぐらいだ!」
は、はい……!?
「か、課長。栄養士の資格を持っているんですか!?」
「うむ。栄養の知識を知らないのでは、話しにならないからな。
若い時に趣味も兼ねて修得した」
当たり前と言わんばかりに言う課長だった。
ま、まさか……そこまでとは!?す、凄い……。
料理が好きだとかなら分かる。
だけど、栄養バランスまで考えるだけではなくて、知識を得るために資格まで取るなんて……。
課長って、どれだけ完璧主義者なのよ!?
料理上手だけならモテる条件として悪くないわよ。
でも、そこまで来ると…ドン引きだわ。
絶対に夫にしたらバランスがどーの、作り方から盛り付けまで文句を言うに違いない。姑より厄介かも……。
「そ、そうなんですか。他にも資格をお持ちなんですか?」
私は、ニコッと笑顔で尋ねてみた。
何だか聞くのが怖いけど……念のために。
「他にか?そうだなぁ……。
家事で役に立ちそうなのは、洗濯に役に立つクリーニング師の資格。
それから電気関係に必要なボイラー技師の資格と…」
何だか聞き慣れない資格の名前まで出てきた。