えっ……?課長に言われるがまま見てみると
目の前に映ったのは、綺麗な青空と眺めのいい景色だった。
 凄い綺麗だわ。興奮をしていると課長は、クスッと笑った。

「どうだ?綺麗な景色だろ?」

「は、はい。凄いですね……綺麗」

 頂上から見るとこうなっているんだ?
登るまでは、感じられなかった光景だった。
 私は、感動をしながら一生懸命眺めていると課長は、おぶり直した。そして……。

「お前にこの景色を見せてやりたかったんだ!
 世の中には、素晴らしいものや綺麗なものがたくさんある。
 お前は、目先のものばかり見ているだけではなくて、もっと他にも目を向けてみろ」

 課長がそう言ってきた。私のために……?
それを聞いて思わず心臓がドキッと大きく高鳴った。
 このためにわざわざ私を誘ってくれたの?何で……?
目先の事ばかりって……課長。
 もしかして私がイケメンにハマっているって知っているの?

「あの……ありがとうございます」

「うむ。何処か座れる場所は……」

お礼を言うと課長は、キョロキョロと周りを見渡した。
 すると広めの場所を見つける。
そうしたら課長は、リュックから敷物を出すように言ってきた。
 私は、慌てて出すと下に敷いて座らしてくれた。

 ふぅっ…と息を吐く課長は、汗をかいていて
それを拭う姿は、何だか色っぽかった。
 うん?色っぽい……?いや……ないない。

 課長が色っぽいとか有りえない。
嫌だ。色々綺麗のを見たから目がおかしくなっちゃったのかしら?
 慌てて目元を擦った。幻覚だろう。
すると担当スタッフも到着した。

「頂上に着いた人から昼食をとって下さい」

 そうそう。お昼よ、お昼!
余計な事は、考えたらダメよ……。
 私が課長にときめくとか有りえないんだからと自分に何度も言い聞かした。

昼食は、それぞれお弁当を持参する。
 私は、自分の作ったお弁当を食べるのだが、どうしても隣に居る課長が気になって仕方がなかった。