ところで、なぜ私の周りの人は皆忙しい日々を送っているのだろうか。
朔夜といい、優生といい、パパといい……。
決して私も暇ではないが、心配で仕方ないのだ。
「とりあえずやれることだけやろう」
だからといって、私にできないことはいくらでもあるわけで。
そこからどうにか捻り出して精一杯支えていこう。
⁑
☆
翌朝。
私はお昼ご飯用のお弁当と、日持ちするおかずを入れた袋を持って優生の家までやって来た。
「ゆうせーい?」
早い時間で閑静だったというのもあって、小声で呼びかけた。
合鍵で勝手に開けちゃったけど、大丈夫かな……。
優生が一人暮らししている家の合鍵。
付き合ってしばらくしてから『好きな時に入っていいから』と突然渡された。
優生の家に行く時は、いつも彼も一緒にいるから合鍵を使うのが初めてだったりする。
使い慣れてなくて、若干の緊張が手汗に表れていた。