ところで、なぜ私の周りの人は皆忙しい日々を送っているのだろうか。

朔夜といい、優生といい、パパといい……。

決して私も暇ではないが、心配で仕方ないのだ。


「とりあえずやれることだけやろう」


だからといって、私にできないことはいくらでもあるわけで。

そこからどうにか捻り出して精一杯支えていこう。









翌朝。

私はお昼ご飯用のお弁当と、日持ちするおかずを入れた袋を持って優生の家までやって来た。


「ゆうせーい?」


早い時間で閑静だったというのもあって、小声で呼びかけた。

合鍵で勝手に開けちゃったけど、大丈夫かな……。


優生が一人暮らししている家の合鍵。

付き合ってしばらくしてから『好きな時に入っていいから』と突然渡された。


優生の家に行く時は、いつも彼も一緒にいるから合鍵を使うのが初めてだったりする。

使い慣れてなくて、若干の緊張が手汗に表れていた。