付き合い始めた頃、ヴァイオレットが僕にそんなことを言ってくれた。「運命」そう言ってくれたことが嬉しくて、歳が離れていてもずっと一緒にいたいと願うようになったんだ。

「ヴァイオレット、僕の家族になってほしい。君と温かい家庭を作りたい。結婚してくれないか?」

ヴァイオレットが高校卒業を控えたある日、おしゃれなレストランでも、夕焼けが美しい浜辺でもなく、二人でよくデートする公園で僕はプロポーズをした。女性が望むようなロマンチックなものではないことはわかっている。指輪だって豪華なものは買えなかった。でも、変に飾るのは自分らしくないしヴァイオレットも望まないと思ったから……。

「はい、喜んで」

ヴァイオレットは泣きそうな顔で微笑んで、こんな僕と愛を誓い合うことを喜んでくれた。小さなエメラルドの入った指輪をそっとヴァイオレットの薬指にはめた時、この幸せが永遠に続くようにと願ったんだ。

ヴァイオレットが高校を卒業してからは、結婚式の準備を早速始めた。二人で素敵な教会を巡って、交際していることをヴァイオレットのご両親に説明して、大変だけど楽しい毎日だった。