久遠とオレは結局一緒におにぎりを食べた。

もちろん黙って食べるわけがなく、オレの惨劇をおかずに久遠はパクパクと食べ進めた。


「振られてハートブレイクしてたところにちょうど私が現れて良かったっすねー」

「まあ、それに関しては感謝してる」

「感謝してもしきれないっすよねー」

「だな。またスイ天連れていくよ」

「いや、次はもうちょいリッチに行きたいっすねー。だって今までとは格が違うご恩すもん」


さすが、久遠。

そういうところは抜かりない。

なら、仕方ねえ。


「分かった。ホテルのビュッフェにでも連れていく。但し、オレと久遠の2人でな」

「いくら予算が高いからって、それは無いっすよー。皆で行きましょー」

「それは......出来ない。」

「いやいや、そんなこと言わずにー。私もお金出しますからー」


ったく、いつまでもわかんねえやつだな。

オレは意を決して久遠の頬に手を伸ばした。