「おい!」

「だーかーら、うるさいって言ってるんすけどー。何回言ったら分かるんすか?」

「オレの質問にさっさと答えろ!」

「はー、仕方ないっすねー」


仕方なくねぇだろ!

勝手なことしたんだから、説明くらいちゃんとしろ!


「あなたを私が部長を務める学生福祉部に入部させて頂きました。その証拠に...はい、こちら。あなたの指紋も頂いております」


「なんだよ、学生福祉部って?!勝手に指紋取りやがって!オレは、一言も入りたいなんて言ってねぇ!」


「まー、そうっすよねー。ふっつうは入りたがらないんすよー。だから、スカウトしてるんす。あなたは選ばれたんすから名誉あることとして受け取って下さい。この通りっす」


頭を下げたのはたった1秒。

オレに対する尊敬が微塵も感じられない。

何が、名誉なこと、だ?

どうせ部員が足りなくて廃部にしたくないからオレみたいな帰宅部を狙ったんだろ。

ん?

ってか、オレが帰宅部ってどうして分かるんだ?

そんなのこの一瞬で分かるはずがない。

なら、どうして?

どうしてこの女はオレを?