午後10時12分。

店長からもらったおにぎりやパンを持ってオレはその場所に向かった。

定位置にあいつはいた。

眠いのかこくりこくりと首を赤ベコのように動かしている。

これから大事な話をするというのに、この
緊張感の無さはガッカリさせられる。

だが、こういう飾り気のないところが久遠の良さだから、全然許せる。

そうやって順応してきた結果がこれだ。

順応の成せる技、見事だと思う。

オレは久遠の隣に腰かけた。

一応、数センチいつもよりも近くに、だ。