そして、目覚めた時にはすでにコンビニだった。


「おでん、買うんだろ。行くぞ」

「へーい」


久々にワンコと2人で登場したため、それはそれは店長に大喜びされた。


「いやぁ、良かった。久遠ちゃんと市ヶ谷くんの2ショットを見られて」

「そりゃ、どーも」

「店長、何いってんすかっ!」


すべての言葉はありがたく受け取らねば。

それが幸せへの道だと信じて10年。

幼き頃の悟りが今に生きているようだ。


「あー、で、早速っすが、卵10ことこんにゃく、がんもどき、ロールキャベツ、ちくわが1こずつ、大根2こでお願いします」

「えっ?!卵10こ?!」

「はい。卵大好きなんで。しかも今日はワンコの奢りなんで」

「はぁ...」


店長には目をまん丸、口をOの字にされ、ワンコには頭を抱えられたが、そんなの構わない。

今日は心行くまで食べさせてもらいまーす。

ワンコは札を1枚と小銭少々を出した。


「行くぞ」

「あざーっす」

「うざ」

「うざくて上等っす」


ワンコに無事買ってもらえましたし、ベンチの先客もいない。

これは絶好のおでん日和だ。

食べるしかないっしょ。

ってことで、いっただっきまーす。