「ワンコ先輩っ!」


顔を上げたその瞬間、にゃんにゃんの声が聞こえた。


「ワンコっ!」

「ワンコ先輩!」


ひなもルナも駆けつける。

一体どうして?


「何なの?」


春日さんは動揺して声が震えている。


「ちなみにわたし達だけではありませんよ」

「は?」


皆の背後からやって来たのは、


「柳田先生...」


春日さんは膝から崩れ落ちた。

歩先生がすかさず春日さんに駆け寄る。


「全て橋本くんから聞きました。彼から証拠も提供されています」

「そんな......。ただワタシは...ワタシは...」


オレは春日さんの前でもう1度頭を下げた。

これが今オレに出来る精一杯の謝罪だ。


「オレのせいだ。本当に...すまない...」


春日さんは泣きながら歩先生と共に教室を後にした。