――ピンポーン。


インターホンが鳴ったのに気づいたのは、うとうとしかけた時だった。

先ほど食べたものが血糖値を上げ、眠気を誘ってきたようだ。


「はぁい」


オレは声を張り上げ、玄関に向かった。

久遠を迎え入れた時より何倍も足が軽かった。


「さっくん大丈夫?」


開口一番に心配のお言葉。

さすが天使だ。


「あのね、さっくんが食べられそうなもの買ってきたんだけど一緒に食べない?」


さっき食べたんだけど...とは言えない。

オレは口角を無理やり上げ、


「お腹空いて来たし、食べようかな」


と言った。


「食欲はあるんだね。良かったぁ。じゃあ、準備するからちょっと待っててね」

「あぁ、うん」


オレは再び布団に潜り込み、眠くならないようロックを聞いて耐えていた。