ふと、空を見上げると空には満天の星が瞬いていた。

今日は月もいらっしゃる。

夜空がワンコにエールを送っているのだろう。

頑張れ、ワンコ。

早く治して戻って来て下さい。

でないと......

寂しいっすから。

そう思った時、胸がどくんと大きな音を立てた。

一瞬だけ血圧が跳ね上がった気がしたが、気のせいということにしよう。

世の中気づかない方が良いこともあるから。


バッグにつけた犬のキーホルダーをぎゅっと握り締め、風に吹かれながら帰路を急いだのだった。