「あの、私帰りますんで」

「あ、そうだった。引き留めて悪かったな。んじゃあ、ゲホッゲホッ、また今度」

「早く元気になって復帰してくださいよー。でないと活動出来ないんすから」

「はいはい。分かってるって」

「分かってるならカノジョさん来ても舞い上がらず、迷惑をかけず、おとなしく寝て下さいね。いいっすか?」

「へーい」


威勢の良い返事を聞くことが出来たため、私は退散した。

だが、そのまま帰るのもナンだから、お見舞いの品として近くのドラッグストアで売っていた桃の缶詰めを買ってドアに袋をかけておいた。


「お幸せにー」


そうドアの向こうの2人に向かって言い、歩きだした。