「久遠さん、本当に本当にすみませんでした!運転しますから、どうかラーメンをお恵みください」


バカか、オレは。

完全にアホだな。

校内1のイケメンの名が汚れる。


「ま、今日はクリスマスなんで許しますけど、次そんな汚い言葉使ったらただじゃおかないっすからねー」


はぁ、良かった。

と、安心してもいられない。

これからまた漕ぐんだ。

嫌だけど、

本当に嫌だけど、

仕方ない。

不覚にもちょっと嬉しいから、

頑張って走るか。

吐く息は相変わらず白い。

だが、オレの後ろには人がいる。

オレに体温が戻ってきた。

この温もりを離さぬよう、また頑張らなきゃな。

そう思いながら、また夜道を駆け抜けたのだった。