オレはルナの拳に自分の手のひらを重ねた。

ルナがまた潤んだ目でオレを見つめる。

泣いたっていい。

絶対オレが笑わせてやるから。

だから、ルナ......


「居なくならないでくれ。頼む...」

「ワンコ先輩......」


オレの右手は小刻みに揺れる。

ルナが心配そうに覗き込む。


「ワンコ先輩は僕を必要としてくれるんですか?」


ルナからストレートが投げ込まれた。

もちろん、受け止める。

全身でその気持ちを受け止めるよ。


「あぁ。オレはルナが大切だ。

ルナが必要だ。

これからも同じ部活の仲間として一緒に活動してほしい。

そして、同じ時間と空間と思いを共有して、にゃんにゃんの気持ちも受け止められるようになってほしい。

だって、オレ達の後はにゃんにゃんとルナに任せるんだから。

1年生コンビには頑張ってもらいたいって、オレだけじゃなく...ってか、オレよりも久遠やひなが強く思ってると思うから」


ルナはうんうんと何度も頷いた。

オレの思い、ちゃんとルナに伝わっただろうか。