なぁ、久遠。

オレたち、どうすればいい?

オレは、どこを探せばいい?

北風がびゅーっと吹いて頬をすり抜ける。

その瞬間、お握りを握っていた左手に生ぬるい感覚が走った。

くよくよしてたって、何も変わらない。

何かしなきゃ、なのに......

流れる雫は、

溢れる感情は、

制御出来ない。

歪んだ視界に映るのは無数の星だけ。

今夜も月はオレを照らしてはくれない。

月の見えない空もいい。

むしろ、そっちの方がいい。

そんなことを言ってくれたのは、あいつだけだったな。

なぁ、久遠。

オレはお前を探してもいいか?

お前の席、開けておくから、

必ず探しだすから、

戻ってきてくれ。

お願いだ。

お願い...だ。

オレは寂しい夜空に強く強く願ったのだった。