「ゆっち先輩......。ゆっち先輩、どうして?」

「仁彩、元気出して。おれがなんとかするから」

「ひな先輩じゃダメなこともあるんです。わたし、ゆっち先輩がいないと生きてる心地しません...」

「そんなぁ...」


にゃんにゃんとひなが結ばれたのはつい1週間前のことだ。

そのせいでルナは精神的ダメージをかなり受けてしまい、部活を休部することになり、今は3人だ。

だが、にゃんにゃんも精神的に不安定な状態が続いていて活動どころではない。

皆には心配をかけないようにと明るく振る舞っているひなも、本当はすごく傷心していた。

もちろん...オレも。


「なぁ、ワンコ。とりあえずおれたちだけでも案件探そうぜ。じゃないとゆっちに合わせる顔がない」

「あぁ、そうだな。行こう」


仕方なくにゃんにゃんを1人残し、オレたちは部室を出た。

何か明るい話題はないかと探すが、そんなのあるはずもない。

あっても口に出せない。

オレたちは微妙な距離を保ちながら、ただひたすら校舎内を歩き回った。

こんなんで何も見つかるわけがないと思いながらも足を止めることなく、途方もなく歩き続けた。