「何が大丈夫、だよ...」


1人になった帰り道。

無事に羽依を駅まで送り届け、オレは1人自転車をギーギー漕いでいた。

浴衣姿で自転車を漕ぐなんてものすごく不自然で風情のないことだなぁと思いながらも足を止めない。

漕いでも漕いでも追い付かれる。

奥底でくすぶっているほんの少しだけど、ものすごく大きなエネルギーを持っている...そう、まるで隕石のようなものがオレに迫ってくる。


――ギーギーギーギーギーギーギーギー。


はぁ...。

やっぱ、無理だ。