「深沢さんはどんなアニメが好きなんですか?あっ、ちなみにオレはスポ根アニメみたいなのが好きなんですけど」

「わ、わ、わ、ワタシは...」


目をキョロキョロ泳がせながらも話し出した。


「男性アイドルの苦悩と葛藤を描いたアニメが好きで、特に最近の推しはハイスタの西野くんで...」

「ハイスタ、好きなんですか?」


おっ、三科さんが食いついた。


「あっ、はい」

「わたしもハイスタ好きなんです。わたしは東くんが好きで、今度やるイベントにもいこうかと考えてて、でも......」


ん?

三科さんがオレを見つめる。

オレ、なんかまずいこと言っちゃった?

冷や汗が額から首筋に伝っていった。

が、しかし。


「2次元から飛び出して来たような方が目の前にいらっしゃるとなると、もう、なんと言ったら良いか......」

「分かりますぅ。尊いお方がまさかわたしのようなしょーもないヲタクの前に現れるとは...」

「なんなら、彦星様にみえます~!」

「ねぇ、そうですよねぇ!あぁ、もぉ死んでもいい...」

「いや、でも、東くんに会うまではやっぱり死ねません~!」