「はぁい、参加者の皆さんをお連れしましたぁ!」


にゃんにゃんが帰ってきたようだ。


「あれ?久遠は?」

「家庭科クラブの方とお素麺を茹でてらっしゃいます」

「おぅ、そっか。了解」


ひなに視線を流す。

首をブンブンと振るばかりだ。

ったく、困ったヤツだなぁ。

ここは1つ、恋愛の先輩であるオレからアドバイスをするとするか。


「ひな、恋したら積極的に行くべきだ。久遠が誰かに取られたらどうするんだ?」

「取るとしたら、ワンコ、お前だと思うけどな」

「は?」


なぜ、オレ?

ひなはじーっとオレに鋭い眼差しを向けている。


「オレにはカノジョがいる。そんなことするわけないだろ。だから安心して距離を詰めてくれ」

「ホントかよ」

「ホントだって。信じろよ」

「分かった。じゃあ、遠慮なく行かせてもらう」


こうして、メインイベントの裏で2組の織姫彦星七夕大作戦が始まったのだった。