「じゃあ、男子陣は引き続き設営をお願いしまーす。私とにゃんにゃんは参加者をこちらに連れてきますから」

「ゆっち、行ってらっしゃ~い!」


ブンブンと手を振るひな。

最近になって益々久遠に対する態度が大きくわざとらしくなった気がするのは気のせいなのだろうか。


「あのぉ、ずっと思ってたんですけど、ひな先輩ってゆっち先輩のこと好きなんですかぁ?」

「うぇっ?!え、えっと、そ、その...」


うわ。

これは完全に図星だな。


「そりゃあそうですよねぇ。あんな素敵な方と1年間ずっと2人きりで活動してきたんですからぁ」

「1年間じゃない。もっと長い。小学生の頃だって一緒に読書したり、しりとりしたり、どっちが先に九九を言いきれるか競ったりもしてたんだ。俺達の絆は深い」


九九、か。

実に懐かしい響きだ。

ってか、あの2文字を出さないだけで、これは完全に認めているな。

つまり今オレに求められていることは......