午前9時30分。

3年C組の教室はメイクアンド更衣室となり、カーテンを閉め切って花嫁様の準備を進めていた。


「はぁ、緊張する...。友くん、来てくれるかな?やっぱりやりたくないとか言わないかな?」

「大丈夫っすよ。前原さん、きっと来てくれますって」

「そう...だといいけど...」


桃井さんが心配するのも無理はない。

なぜなら、集合時間の9時15分を過ぎても一向に新郎の前原友紀さんがいらっしゃらないのだから。

私は無線で玄関を見張っているルナに連絡をした。