「止めろ!」


久遠......。

久遠の声が食堂中に響いた。

久遠の右手が微かに震えていた。


「もともとひなさんと2人でやってたんす。だから1人かけたくらいどうってことないっすよね?

私はひなさんを信頼してます。
ひなさんがワンコの分まで仕事やってください。ひなさんに任せます。

よろしくっす。この通りっす」


久遠が深々と頭を下げた。

その姿がしばらく脳裏に焼き付いて、

オレは羽依の試合中もずっと久遠のことを考えていた。