「さっくん」

「ん?」


羽依が一歩オレに近づいた。

またドクンとして右足が後退りそうになったが、なんとか踏みとどまった。


「明後日の試合、見に来てくれる?高体連に向けての最後の練習試合なんだ。高体連は見にこられないからせめて練習試合だけでも見てほしいなって思ったんだけど...ダメかな?」


明後日、と言えば......

結婚式......。

オレのではないけど.....

皆で一緒に幸せを届けようって頑張って計画を練った結婚式当日だ。

それと被るとは......

これはまさに一世一代の究極の究極の選択だ。


「予定があるなら無理にっては言わないけど...」


オレの目の前にY字の分かれ道が現れる。

天使か、

部長か。

そんなの考える余地はないはず。

オレは......