――ガラガラガラ。


力なくドアを開けた。


「さっくん、おはよ」


こ、この声は...。


「どうしたの?顔色悪いよ」


天使がオレを心配してくれている。

あぁ、ありがたい。

助かった。

この笑顔がオレに力を分け与えてくれる。


「おはよう、羽依(うい)。なんでもない。オレなら全然元気だから」

「そう?でも辛かったら言ってね。わたし、一応保健委員だから」

「うん。ありがと」


オレは羽依の頭にぽんと手を乗せてから自分の席に向かった。

ちょっと頬を桜色に染めた羽依は、この世のどんな花や宝石よりも美しく、純度100パーセントだった。