あああ。
 慣れるしかないんだ。
 というより、これが普通って思える日が来るの?
 外国人ノ愛情表現、恥ズカシイ。

 ……しかもネイトってば、動かすのは片方の手だけで片方の手は私の腰をずっと抱いてる。
 いや、抱くって性的な意味ではなくて!

 でも。
 こっ、腰に手を添えるって、いくら欧米の人でもプライベートな時間以外、そうそうないよね?
 私はネイトの膝から下りようともがいた。

「ネイト、下ろして。貴方の隣に座るから」
「No」

 私の動きと彼の拒絶で、セキュリティスタッフはなにごとかを察したみたい。

「Miss, you don't have to panic
(ミス、いまさら慌てなくていい)」

 ん?
 優しい声に私は動くのをいったん止めて、毛布をずらしてスタッフを見た。

「You have been embraced by Nate ever since we came
(貴女は我々が来てからずっとネイトに抱かれている)

We don't care
(我々は気にしていない)」

 白い歯を見せて、親指を立てられてしまった。
 と、トドメをさされたぁーっ!