繋いだ手から、確かめてしまう。
君が今隣で生きていること、僕だけの君であること。
嘘ならどれだけ良かっただろうと、君は時折笑うけれど。雨が降る街に、僕たちは傘をさす。無意味な世界で足並みを揃えて、消えることを目的として。

「彼氏とはどうなの?」
重い口を開けたのに、
「明日も雨かなあ。」
君はいつもはぐらかす。

「好きだよ。」
「私も。別れたら付き合ってくれる?」
「早くね。」
好きな歌が流れるたびに、君は鼻歌で体を揺らす。毎日お酒を飲んで、そのたびに少しずつ壊れていく。