彼女は切羽詰まった顔でそう言ってきた。


「なに?」


「私と……」


軽く睨んだけどひるみもしない。今の今までびくついてたくせに。


だけど、彼女は意を決したようにゴクッと喉を鳴らす。


「雨城くんのことが好きです。
私と付き合ってください」


うわっ、こんなところでいきなり告白かよ。


だけど真っ直ぐにこちらを見つめたその瞳から、なぜか目が離せない。


強い意志がみなぎっていて、思わずたじろいだ。


「は、いや、だから」


「いま返事を聞かせてほしいです」


告白なんだろうけど、いまにも噛みつかんばかりの勢いだ。


「いますぐに返事しないとダメか?」


「はい、出来れば今すぐお願いします。
だって今度いつこうしてお話できるかわからないから」


「……」


返事といったって、そんなのはもう決まってる。