「お嬢様と、仲良く……します」


どうして俺がこんなこと言わなきゃいけないんだろ。


「うん、わかればいいんだよ。
君、まあ悪いことは言わないからちょっとだけでも鷹月さんと親睦を深めてやってあげなさい。
彼女はとても思いやりがあっていい子だから」


「いい子……ですか」


「そうだよ君だって違う学科の生徒と交流して視野も広がるんじゃないかな」


「はあ……」


先生はしまいには、もっともらしいことを言い出した。


だけど、嬉しそうに話す先生を見ていたらちょっとイラっともしてきた。


「ちょっとでいいんですね、わかりました。いまよりもうちょっとだけ親しくなれるように頑張りますので」


ちょっとってところを強調した。


弱気だが、こんなことくらいでしか抵抗できない。
俺にも守らなきゃいけない立場があるから。