そのまま腕を組んで考え込むような仕草をする。


「私だって、困ってるんだよ。お嬢様にも注意はしているんだが、君のこととなると周りが見えなくなるようで」


お嬢様って言っちゃってるし……。


生徒だろ、いちおう。


特別扱い丸出しだぞ。


「俺にどうしろって言うんですか?」


「だから、もう少し彼女に優しくしてやってもらえないかね?」


先生は言葉を濁したりせずにはっきり言ってきた。


「要は、俺があのお嬢様の相手をしないからってこんな風に呼び出されていたわけですか?」


「……」


この間からいいかげん腹が立っていたこともあり嫌味気に言い返してしまった。


やばいか、言い過ぎたかな。
でもまあ、いいや。


「いや、そういうわけでもないが君は特待生なんだから鷹月学園にもう少し感謝を示しても罰は当たらないんじゃないかね」


「はあ、感謝ですか……」