「どうしよう、私達しばらく会わないほうがいいのかな」


不安になった私は、ふとそんなことを口走ってしまう。


だけど彼の瞳をじっと見つめたら、クスッと鼻で笑われた。


「そんな必要ないだろ」


「そ、そうかな」


「ほら、ンナ顔するなって」


心持ち身体を寄せあったかと思ったら、あっという間に彼のたくましい腕を背中に感じた。


抱きしめると言うより、ふんわりと包み込んでくれている感じだった。


「それとも俺から離れたい?」いたずらっぽく瞳を細める彼。


「ううん」


そんなわけない。離れたくないよ。


「これからは昨日みたいなことがない様に気を付けるから大丈夫だ」


そう言って私の唇に人差し指を押し当てて微笑する彼。


触れられただけで、胸の奥がキュンとする。


「えっ、でも、そんな」


じゃあ、昨日みたいにキスはしてくれなくなるって意味なのかな?