その時俺の周りを取り囲んでいる女子生徒たちが先生にブーブー文句を言い出した。


まるで俺の気持ちを代弁するかのように。


「先生どうして、雨城くんをつれていくんですか?」


「横暴です」


「セレブコースばっかりひいきしてズルい」


まったくその通りだと思うんだけど、そんなこと言っても先生にはまったく効果なし。


「さ、雨城くんついてきなさい」


河井先生は穏やかな口調で促してきたので、仕方なく後へ続いてついていく。


俺はもう一度振り返ってみて、まだお嬢様が立ち上がっていないことに気が付く。


「誰か、彼女の様子を見に行ってやって。ケガをしてるかもしれないから」


「はあい、雨城くんがそういうなら」


傍にいた女子の数名がしぶしぶお嬢様の様子を見に行ってくれた。


まあ、これであっちは大丈夫だろ。