伊達はわかったような顔でうんうんと頷いている。何となくばつが悪い。


「俺、先に帰るから」


「3人で帰ればいいだろ。なあ花」


伊達が急に遠慮して先に帰ろうとするので、俺は花の方を見た。


花もきっと3人で帰ろうと言うはず……って思ったんだけど。


「あ、あの、でも、今日は……」


恥ずかしそうに俯いてボソボソ言い出す。


あれ、どうしたんだろ。


「あちゃー、千景はほんとに女心がわかってないな」


なぜか伊達にそんなことを言われる。


「ねぇ、花ちゃんほんとにこんな奴でいいの?ほんとは10分なんて寂しいよね?
千景みたいな自己中にはキツく言わないとわからないよ」


伊達は花に向かってとんでもないことを言いだす。


おい、俺たちの間に波風たてて楽しいのか、おまえは。


それでも親友かよって文句を言おうとしたら。